スイートネットワーク海外支部"プリン"が世界中のいろんな場所で出会った甘い(時にはビターな)お話をお届けします。


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カテゴリ:フランス( 21 )

前回の記事では、今年は今までにない暖冬だ~と書いたのですが、やはり甘かったようで……
突然びっくりするほど気温が下がり、これまでにない極寒の日々を体験しております。
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ニュースを見ていても、ハンブルク港に氷が張って入港できないとか、ブルターニュ地方で積雪20cmとか、南仏の空港が閉鎖とか、ヨーロッパのあちこちで異常な寒さが続いているようです。

フランスのアルザス地方では、夜はマイナス20度なんてことも!
そんな凍える寒さのなかで出会った甘いお店は、とてもすてきで、とても温かかったです。
ストラスブールから北へ車で1時間ほど、ドイツとの国境沿いの小さな町、Wissembourgにあるパティスリー『レベール』。
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美しくおいしそうなケーキたち。見た目だけでなく、お味も本当に素晴らしかったです。
ルレ・デセール会員でもあるシェフ、ダニエル・レベール氏みずからケーキを補充していらっしゃいました。
ケーキだけでなく、チョコレート(日本のサロン・ド・ショコラでも紹介されたことがあります)にアイスクリーム、パンにお惣菜まで、どれもがとても魅力的。
週末だったせいもあってか、地元の人だけでなく遠方から訪れるフランス人やドイツ人客がたくさん。店内は身動き取れないほどの人気ぶりです。
お菓子のおいしさはもちろん、目が回りそうな忙しさにもかかわらず、笑顔を絶やさずあくまで親切なスタッフの方たちには頭が下がりました。


Wissembourgからストラスブール方面へ南下していくと、陶器で有名なスフレンハイム村があります。
アルザスの名物料理ベックオフを煮込む鍋や、伝統菓子のクグロフの型など、ぽってりと温かみのあるアルザス陶器の多くがこの村で作られています。
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村にはたくさんの工房があって、それぞれちょっとずつ絵柄が違ったり、なんといっても手作りなのでひとつひとつに味があるんですね。
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伝統的な柄以外にも個性的なデザインの陶器を見つけたり、ちょっとヒビが入ったクグロフ型が1ユーロ!なんて掘り出し物をみつけたり(私は植木鉢として使っています)、工房めぐりは楽しいものです。


昔ながらの伝統が色濃く残るアルザス地方では、お土産物にもこの地方独特のものが多く見られます。
なかでもアルザスのいたるところで見られるのが、コルマール出身の画家ハンジの描いたイラスト。
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大きなリボンにたっぷりとしたスカートの民族衣装の女の子、コウノトリ、クグロフやクリスマスのごちそう……「古き良きアルザス」の生活風景が描かれたハンジの絵は、当時は政治のプロパガンダに使われたこともあったようですが、今ではポストカードにお菓子、食器など様々なハンジグッズが作られ、アルザスを象徴するお土産としてたくさんの人々に愛されています。
観光客に人気の美しい村リクヴィルにはハンジの博物館があって、ありとあらゆるハンジグッズが勢揃い。世界中からファンが訪れます。
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スイートネットワークのウェブショップ「SUITESTORE」では、クグロフが描かれたハンジのポストカードをご紹介中です。
限定販売になりますので欲しい方はお早めにどうぞ。


今日はバレンタインデー。
日本は今年も賑わっていることでしょう。
高級チョコレートでなくとも、愛がこもっていれば素敵だと思います。

好きな人と。友達と。家族と。
温かなバレンタインをお過ごしください。


■REBERT
7,place du Marche aux Choux 67160 Wissembourg Tel:03 88 94 01 66


◆◆お知らせ◆◆
総合情報サイト「オールアバウト」(私はドイツのガイドを担当しています)の震災特別ページに応援メッセージを寄せました。
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by pudding-world | 2012-02-14 01:41 | フランス
今年の夏、うちのあたりはずっと雨続きで、まるで梅雨のようなお天気でした。
夏はいつやって来るのかな~と心待ちにしていたのですが、気がつけばもう8月も終わりではないですか!
あれれ、もしかしてこのまま秋に突入?!そんなの寂しすぎる……。
せめて気分だけでも「夏」になろうと、今回は夏の思い出に浸ってみたいと思います。

夏の思い出といえば、南仏プロヴァンス。
プロヴァンスについては以前も何度かレポートしましたが、まだまだ紹介しきれていない街がたくさんあります。
そのなかのひとつが、プロヴァンスのなかの都会、エクス・アン・プロヴァンス。
都会といってもそこはプロヴァンス。一日で歩いて回れるくらいの街です。

TGV(フランスの新幹線)の駅があるうえにプロヴァンス的魅力にあふれているエクスは、観光客にも人気の街。
みどころや名物もたくさんあります。

名物その1 噴水
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エクスは「泉の街」といわれるほど、いたるところに噴水があります。その数は100以上というからすごいですね。
プラタナス並木がきれいなミラボー大通りには、「温水が噴出す苔むした泉」なんていう一風変わったものも。
それぞれに個性があるので、噴水ウォッチングしながら街歩きするのも楽しいものです。

名物その2 市場
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プロヴァンスの楽しみのひとつがマルシェ(市場)めぐりですが、エクスのマルシェはとても規模が大きくて見ごたえたっぷり。
エクスでは、食べもの、花、雑貨、アンティーク……と、広場ごとにいろんなマルシェが立つので、見て歩くだけでも一日中楽しめます。

名物その3 カリソン
エクス名物のお菓子といえばこれ!
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アーモンドをすり潰してメロンやオレンジの砂糖漬けを混ぜたエクス銘菓「カリソン」は、しっとり柔らか。どこか和菓子を思い出させる懐かしい食感です。

エクスの街ではいたるところでこのカリソンを目にします。

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市場でも。

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カリソン型のケーキを作っているのは『パティスリー・リーデール』
このお店には、エクス出身の画家セザンヌの水彩画をテーマにしたケーキもあるんです。

名物その4 セザンヌ
エクスといえばセザンヌ、セザンヌといえばエクス、です。
エクスで生まれ、エクスの自然を描き続けた画家セザンヌ。
アトリエや別荘、そして生涯描き続けたサント・ヴィクトワール山……エクスにはセザンヌゆかりの場所がたくさんあります。
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セザンヌゆかりの場所には、歩道にエンブレムプレートが埋め込まれています。

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エクスで一番有名で一番古い(創業1792年!)カフェ『レ・ドゥー・ギャルソン』は、セザンヌにピカソ、ゾラやサルトルも通ったとか。
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いまや観光地のひとつにもなっている名物カフェですが、訳あって私が訪れたのはまだ夜も明けきれてない開店直後(まだスタッフが準備中)。
さすがにお客さんは誰もいませんでした。何しろ朝6時です。
おかげで昼間の喧騒からは想像もつかない独特の雰囲気を味わうことができました。

朝弱い私がどうしてそんなに早起きしたかというと…
ピカソのためでした。
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エクスにゆかりのある画家というとセザンヌが有名ですが、じつはセザンヌを師とよんだピカソも、エクス郊外の山のお城に数年間住んだことがあり、お墓もそこにあるのです。
現在は家族が所有するそのお城が、2009年夏、最初で最後の公開!ということで、限られた入場券を手に入れるために暗いうちから並んだのでした。

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エクス郊外、サント・ヴィクトワール山にあるヴォーヴナルグ城。
お城といってもギラギラしたものでなく、なかはとてもシンプルで質素な印象さえ受けます。
ピカソが住んでいたときのまま、アトリエの絵の具も、ほこりさえも、そのまま残しているとのことでした。
特に印象深かったのは、浴室の壁に描かれた絵と、寝室に掲げられた大きなスペインの旗。
当時スペインのフランコ独裁政権に反対し、スペインが変わるまでは帰らない、と決心していたピカソ……ですが、どこへいても、いつでも故郷のことを強く想い続けていたそうです。

ここへ行くことができて良かった。

ヴォーヴナルグ城は2009年の時点では今後の公開は未定とのことでしたが、今年も夏だけ(
~9/18)特別公開されています。
http://www.chateau-vauvenargues.com


■RIEDERE
67,cours Mirabeau 13100 Aix-en-Provence TEL:04 42 38 19 69

■Les Deux garçons
53,cours Mirabeau 13100 Aix-en-Provence TEL:04 42 26 0051
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by pudding-world | 2011-08-29 19:27 | フランス
2月に入り、日本ではバレンタインデーに向けてますます盛り上がっている頃ですね。
ヨーロッパではバレンタインデーの存在すら知らない人も多いのですが、一応は「大切な人を想う日」という位置付けで、お祝いする際にはパートナーへお花を贈るというのが一般的のようです。
バレンタインデーにチョコレート、というのは日本のお菓子屋さんが考えた日本独自のイベントですものね。

そんなかんじでこちらではバレンタインデーは何事も無く過ぎていくのですが、ここはひとつ日本人らしく(?)チョコレートで盛り上がってみたいと思います。
題して「おうちでサロン・デュ・ショコラ in アルザス」!!
ストラスブールを中心に、アルザス地方のおいしいショコラを集めました。

Christian クリスチャン (ストラスブール)
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ケーキもおいしい『クリスチャン』ですが、スペシャリテはなんといってもショコラ。
スパイスやフルーツなど様々な風味を調和させて奥深い味わいを生み出す技には脱帽です。
ジャマイカのチリがピリッときいたスモーキーで男性ぽい「ジャマイカ」、クエッチ(この地方特産のプラム)のガナッシュにスペキュラス風味を加えた「インディアンの夏」。
フランボワーズのガナッシュにラベンダーとローズで風味付けした華やかなショコラの名は「自由」。
小さな一粒のなかに物語がこめられているかのように様々な世界(味)が広がります。
フェアトレードのショコラを取り入れているのもすてきです。


Kubler キュブレー (ストラスブール)
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浅見シェフのいらっしゃる『キュブレー』は、日本の催事でも紹介されていますね。
ストラスブールにあるお店は、とてもフランスらしい、しっかり地域に根ざしたお店です。
クラシックな雰囲気のなかにも個性的なお菓子がいっぱい。
ショコラも、アルコールのしっかりきいた古典的なものからモダン系ガナッシュまで幅広く揃っています。
苺やライチ、バナナといったみずみずしいフルーツ風味のショコラが特に好きです。


THIERRY MULHAUPT ティエリー・ミュロップ (ストラスブール)
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        ハート型ショコラやバラのギモーブを詰め合わせたバレンタイン商品。
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「カシス」「バルサミコ」「ローズ」・・・とひとつひとつの素材をフィーチャーしたシンプルなショコラたちは、風味をきかせつつもカカオを主役にした上品な味わい。
形も味もすっきりと洗練されていてクールな印象です。
ここでは唯一「バレンタイン向け商品」をみかけました。
日本語のパンフレットもあったりして、ある意味とても日本に近い店かもしれません。


GILG ギルグ (マンステール、リボーヴィレ、コルマール)
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チーズで有名なマンステール村に本店がある『ギルグ』は、田舎とは思えないモダンなパティスリー。
ショコラの素材使いにも工夫が見られ、アルザスワインを代表するゲヴュルツトラミネール風味(マンステールチーズ型)や、とろとろの塩キャラメルや、ごまたっぷりのショコラなど、楽しいラインナップです。


JACQUES ジャック (ミュールーズ)
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アルザス地方南部の街ミュールーズにある『ジャック』は、スイーツ好きにとっては憧れのパティスリー。
ルレ・デセール元会長のオーナーの元で修行したパティシエは数知れず。
ジャックのお菓子は奇をてらったものが無く、ごくごくシンプルなものばかり。なのにどれも味わい深く強い印象を残すのは、素材の良さ(バターはエシレ、チョコレートはヴァローナ)と丁寧な仕事の成せる技でしょう。
写真はチョコレートがふんだんに使われているプティ・フール。
オレンジ風味のフロランタン、カカオ感たっぷりのコロネ、マカロンなどなど、スイーツの中では地味な位置にいるプティ・フールのひとつひとつにも丁寧な仕事がされていて感激しました。

・・と、こんな感じでひっそりとチョコレート祭りを開催してみたものの。
このところヨーロッパはアラブ諸国のニュースでもちきりで、その様子をみているとどうしようもなくもやもやしてしまいます。
人々が命がけでデモをしているその時に、かたやチョコレートを並べて食べ比べなんてしている私のなんと幸せでのんきなことか!
正直なところ、食の仕事に関わるようになってからはますます、そして海外に出ていろんな国や人々を知れば知るほどそのあまりの環境の不公平さに、私の中である種の罪悪感のようなものが大きくなってきています。
チョコレートひとつとってみても、様々な問題をかかえたカカオ生産地について考えると心穏やかではいられません。
それでも、最近はビオやフェアトレードがどんどん注目されてきているし、シェフのなかにも産地と協力して独自のカカオを栽培する人もでてきたりと、ちょっとずつ良い方向へ、消費者も生産者もハッピーになれる方向へ向かっていると思うのです。
秋に開催されたパリのサロン・デュ・ショコラでは「Ethic 倫理」をテーマに、オーガニック、サステナブル、フェアトレード、といったことがクローズアップされました。(※日本版サロン・デュ・ショコラは違うテーマです)
日本でも「チョコレボ」というすてきなキャンペーンがあります。
チョコレートによるLOVE&PEACEなレボリューション。
―「人と地球にやさしいチョコ」がどこでも気軽に買えて、原料のカカオをつくる人も、チョコを作る人や売る人も、そしてそのチョコを楽しむ私たちも、みんながハッピーになれる世界をつくること。― を目標に2006年から活動を続けています。

チョコレートに限らず、その商品が手元に届くまでの背景に興味を持つこと(環境が侵害されていないか、不当な搾取が行われていないか・・)、
消費者である私たちひとりひとりの意識で、世界は変わっていくと思います。



チョコレートレボリューション「チョコレボ」
http://www.choco-revo.net/

■Christian
10,rue des l'Outre 67000 Strasbourg Tel:03 88 32 04 41

■Kubler
29,avenuedes Vosges 67000 Strasbourg Tel:03 88 35 22 27

■Épice et Chocolat(ティエリー・ミュロップのショコラ専門店)
5,rue du Temple Neuf 67000 Strasbourg Tel:03 88 32 43 80

■GILG
60,Gran'Rue 68000 Colmar Tel:03 89 23 96 84 (コルマール店)

■PATISSERIE JACQUES 
50,Avenue d’Altkirch 68100 MULHOUSE Tel:03 89 44 27 32


                     ◆◆ 本日の1冊 ◆◆
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『世界がもし100人の村だったら』池田香代子著 マガジンハウス刊
とてもシンプルで、大切なことがいっぱいつまったお話。
忘れないように、時々開いています。
世界各国で翻訳されていますが、なんとフランス版には英語ではなく日本語が併記されているのですよ。わがやでは日仏の友人たちへの贈り物として定番化しつつあります。
原訳者の中野裕弓さんのページ
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by pudding-world | 2011-02-04 00:01 | フランス
新年あけましておめでとうございます。
今年もみんなでスイーツを探求しつつ、LOVE&PEACEでまいりましょう!!

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2011年のお正月は、フランス・アルザス地方の小さな村リボーヴィレで迎えておりました。
ヨーロッパは大雪続きだったのですがこのあたりもすっかり雪に覆われて真っ白!
夏のアルザスもいいですが、冬のアルザスもまたいっそう心に沁みるような趣があります。
とくにマルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)が開かれる12月は、アルザスじゅうの町がクリスマス色に染まってとても華やか。
クリスマスマーケットはどこの国でも普通はクリスマス前に終了するのですが、ここアルザスだけは例外で年末まで続きます。
さすがは「ノエルの首都」と呼ばれるアルザス。クリスマスが過ぎてもまだまだクリスマスムードでいっぱい。
年末に向けて新年お祝いムードも加わってどの町もきらきら、いつにも増して輝いてみえます。

リボーヴィレは小さな村ですが、特級クラスのワインやコウノトリの里として知られているため観光客がたくさん訪れます。
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       プレッツェルとサンタさんの飾りがなんとも可愛らしいブーシェリー(肉屋)。

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街角に設置された手作り感たっぷりのクリッペ(キリスト誕生の場面を人形などで再現したもの)。


リボーヴィレは、おいしいお菓子屋さんが充実しているのも魅力です。
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近所のパン屋さんで調達した朝ごはんが思いがけずおいしかった!エクレアとプルーンのタルトにアプリコットのデニッシュ。

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大好きな『ギルグ』の新作は新年ぽく華やか。マンゴとパッション、コクリコ(ひなげし)とピスタチオ、洋梨とチョコレート。個性的な素材の組み合わせも食べてびっくりのおいしさ!

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地元の人々に人気のパティスリー『Vilmain』の新年アントルメ。シンプルなケーキにきのこやワインなど楽しいデコレーション。


夜は一転して、しぃんと静まりかえる村。
近所の人や家族連れで賑わうワイン・シュトゥーべで土地の料理をいただきました。
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        すごいボリューム!シュークルートと、マンステール村のチーズ。
隣席のおじさんと話が弾んで、おすすめのお店をおしえてもらったり、ベラヴェッカ(ドライフルーツとナッツたっぷりの郷土菓子)のおいしい食べ方を伝授してもらったり、しまいにはおじさんの料理(レバーのお団子)まで味見することになったり。
思いがけず楽しく気持ちのよい夜を過ごすことができました。
アルザスでは人の優しさや親切にふれたり、自然と心を通わせられることがたくさんあります。
アルザスを訪れる人はきっと(パリを知っている人はとくに)アルザスのあったかさや素朴さに感激することでしょう。
どこの国でも都会と田舎ではそういうものかもしれませんが、フランスという国は土地によってきっぱりと違うなあと感じます。


私たちが泊まっていたのは、愛するワイナリー『ジャン・ジップ』のお宅。
離れになっているお部屋を借りられるのですが、商売っ気が無いのか、本業のワインで十分成功しているからなのか、安価なうえに(良い意味で)ほっておいてくれるのが魅力です。
年末になると「家族のとこに行くから誰もいなくなるけどよろしく!帰るときは鍵はそのまま置いてって。じゃあね~」と出かけていってしまい、家主のいない家に残されることに。
ここまで大らかでいいの?!とちょっとびっくりしましたが、おかげでゆっくり過ごすことができました(笑)
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口は悪いが気のいいジャンさん。試飲がいつしか酒盛りになり、気持ちよく酔っ払ってしまうのでした。

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夜になってライトアップされたワイナリーは幻想的。やっぱり冬のアルザスはいいなあ。。

大晦日の年越しごはんは、近所の『ラミ・フリッツ』で。
フランスでは大晦日というとたいていのレストランは「大晦日特別メニュー」という一つの決まったコース料理のみの提供で、その内容もフォアグラやエスカルゴにステーキ・・と豪華でボリューム大かつ通常の何倍ものお値段というのが常。
特別でなくていいから好きなものを好きな量だけ食べたい私たちは何軒ものお店に問い合わせましたが、やはりどこも同じ。
あきらめかけたその時、「コム・ダビチュード!うちはいつもと同じよ。」と答えてくれたのがラミ・フリッツだったのでした。
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懲りもせずにシュークルートと、アルザス名物料理のベックオフ(じゃがいもと肉の煮込み)。

アルザス焼きの大きな鍋が運ばれてきて、あまりのボリュームにびっくり。
一人分だとはとても信じられない量で(日本なら3~4人分はあるかも)これはいくら私でもムリ・・と思ったのですが、数種類の肉のエキスがからまったじゃがいもはどこか肉じゃがを彷彿とさせる懐かしいおいしさで、思いのほかたくさん食べられました。
スタッフからも「これならアルザス人になれるよ!」と太鼓判を押されたほど。
このお店のワイン・リストには、嬉しいことにジャンとルイのジップファミリーのものを中心に地産のワインが揃っていました。
料理もワインもおいしく、家族経営のフレンドリーな店に出会えた幸運に感謝!
とくにサービス担当の息子さんは、目が回るほどの忙しさにもかかわらず始終にこにこ優しくて、これぞサービス業の鏡!という人で感心しきりでした。
夜の12時を過ぎると店のあちこちから「ボナネー!(新年おめでとう)」の声。
あったかく平和な空気に包まれた、幸せな夜でした。

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                 冬もいます。コウノトリ。


■l'Ami Fritz
1 Place de l'Ancien Hopital Tel:03 89 73 68 11
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by pudding-world | 2011-01-11 21:03 | フランス
ボニューから山を越えて10kmほどのところにある「フランスで最も美しい村」のひとつ、ルールマランLourmarin。
この村に一歩入ると、リュベロンの他の村にはない洗練された雰囲気が漂ってきます。
レストランやショップも地元の人向けというよりもこのあたりに別荘を持つパリジャンや富裕層相手と思われるものがほとんどで、とても田舎の村とは思えないスノッブな空気に満ちています。
建物や家並みは趣があって美しく、オリーブ畑やひまわり畑に囲まれてのんびり落ち着いた佇まい。
アンリ・ボスコやジャン・グルニエなど、ルールマランが舞台の作品を残した作家も多く、この地に魅せられたアルベール・カミュは晩年に家を買って移り住み、村はずれの墓地に埋葬されているのだそうです。

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       15~16世紀に建てられたルールマラン城は優雅なルネッサンス様式。

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           村の中心広場にあるカフェにはハイソな雰囲気の人々でいっぱい。

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以前はミシュランの2つ星だったホテルレストラン『ムーラン・ド・ルールマラン』はシェフのエドゥアール・ルベがボニューに移った後、カジュアルなカフェに。

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ムーラン・ド・ルールマランのパティスリー。ジューシーなメロンはプロヴァンスならでは。

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どこかもっと穴場なカフェはないかなあ・・と見つけたのがこの屋上カフェ。開放感があってアペロ(食前酒)の時間にぴったり。

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洗練されたインテリア雑貨で有名な店『コテ・バスティード Cote Bastide』の入口。

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重厚な石造りのコテ・バスティード。まるで優雅な邸宅のようなシックなディスプレイ。

この村を歩いていてもほとんど地元の人らしき人を見かけることはなく、不思議なほど生活の匂いというものが感じられません。
美しい村なのだけど、なんだかちょっと物足りなく感じてしまった私は、庶民の生活感を求めて近隣の村へ向かいました。

まずはアンスイAnsouisへ。
この村もルールマランと同じく「フランスで最も美しい村」に登録されていますが、村というより集落といったほうがしっくりくるような小さな小さな村です。
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            ありました!生活感!(笑)こういうの見ると嬉しくなります。

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           こっちにも!あちこちではためく洗濯物が印象的な素朴な村。

この村には、まるで別世界のようにゆっくりのんびりとした時間が流れています。
昔も今もきっと変わらないのでしょう。
まったく観光化されていない、正真正銘の田舎の暮らしを肌で感じることができます。


お次は、アンスイからわずか5kmのところにあるキュキュロンCucuronへ。
映画の撮影に何度も使われている可愛らしい村です。
村の中心には池の広場があって、まわりにはカフェやレストランが並び人々の憩いの場となっています。
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              池のまわりを囲むプラタナスが水面に映ってきれい。

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           村のおじさんたちがパスティス片手に集う角のカフェでランチ。

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             民家の窓にはプロヴァンスのシンボル、セミの飾りが。

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              この平和な村では、猫ものんびり気持ち良さそう。

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高台にある城跡まで行くと、オリーブの木々の間からリュベロン平野が一望に!

気の向くままに村を散策している途中、素敵な雑貨屋さんや陶器のアトリエをぽつぽつと見かけました。
こんな小さな村なのにレストランも充実しています。
ここに限らず、フランスではどんな辺鄙な田舎の村に行ったとしても、胃袋が満たされないことはまずないでしょう。
地方へ、田舎へ、行けば行くほどフランスの魅力、底力のようなものをよりいっそう感じられるような気がします。
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by pudding-world | 2010-11-30 08:46 | フランス
リュベロン地方の中心地といわれるアプトAptは、小さな村が多いリュベロンのなかでは一番の大きな町。
土曜日に開かれる朝市はフランスのマルシェ百選にも選ばれるほどの規模で、町中にお店と人があふれて活気に満ちています。
この辺りの農作物の集約地とあって、新鮮な野菜に果物、肉に魚、地方特産のはちみつやラベンダーから雑貨まで、ありとあらゆるものが勢揃い。

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町の中心の通り沿いに並ぶ商店にもパティスリーや食材などおいしいものがいっぱい。

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      フルーツ栽培が盛んな地とあって、手作りコンフィチュールの種類も豊富。

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           ハード系が中心のパン屋さん。かみしめるほどに味わい深い。

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     どれもおいしそうで迷ってしまうソシソン。ロックフォールチーズ入りなんていうのも。

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トマトだけでこんなにたくさんの種類が!フランスではクール・ド・ブフ(牛の心臓)と呼ばれるヒダのあるトマトが最近の人気だとか。

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      かごバッグのお店は商品があふれすぎてこんなところにまでディスプレイ(笑)

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店先のラベンダーに惹かれて雑貨屋さんへ入ってみると、奥に量り売りのコーナーが。
大きなガラス瓶に入ったオイルや色とりどりのお酒などがずらり並んでいます。
液体ソープの量り売りまであったのにはびっくりしました。
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              リカーの量り売り。カラフルでとってもきれい。


アプトはあるスイーツでも有名です。
それは果物をまるごと砂糖漬けにした甘い甘いお菓子「フリュイ・コンフィ」。
フランスでは、アプトといえばフリュイ・コンフィ、というぐらいに広く知られています。
フリュイ・コンフィの歴史は古く、プロヴァンスでは中世の頃から作られていたそうです。
あまり豊かでなかったこの地方では、高価なバターやクリームよりもフルーツをそのままいかしたお菓子作りが発達していったようです。
街のあちこちのお菓子屋さんに、メロンやさくらんぼ、オレンジ、アプリコット・・たくさんの種類のつやつや鮮やかなフリュイ・コンフィが並んでいます。
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         なんとサボテンの実までもがフリュイ・コンフィに!(写真右)

街なかのパティスリーでは伝統菓子だけでなくモダンなデザインのケーキも見かけました。
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        真紫色のケーキというのは斬新ですね。フランスならではの色使い。


アプトは観光色はあまり無い町ですが、地元の人々が買い出しに来る日常的風景に混じって、新鮮でおいしいものをあれこれ吟味するのは楽しいものです。
アプトへ行かれるなら、ぜひとも土曜日に☆
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by pudding-world | 2010-11-11 00:12 | フランス
ヴォークリューズの泉から流れるソルグ川の支流に囲まれた町、リル・シュル・ラ・ソルグは、アンティークの町として知られています。
人口2万という小さな町に、古物商が200以上もあるというのだからすごいですよね。
日曜日には運河沿いにアンティーク市が開かれ、たくさんの人で賑わいます。

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アンティーク以外にも、食料品や雑貨の市が立ち、町全体が大きなマルシェのよう。
色とりどりの新鮮な野菜にフルーツ、ソシソン(ソーセージ)にフロマージュ、それにスイーツ・・・食いしん坊なら興奮すること間違いなしの活気にあふれた市場です。

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       いろんな種類のソシソンが山盛りに。気軽に味見させてくれます。

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  量り売りのオリーブ。プロヴァンスプリントの布に包まれていっそうおいしそうに見えます。

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栗の葉に包まれているのはバノンという特産チーズ。乳製品があまり生産されないこの地方では、羊や山羊のチーズが主流。

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        バニラやミント入り苺のコンフィチュールなど興味深い種類がいっぱい。

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つやつやおいしそうなタルト。アプリコットにピスタチオの組み合わせはプロヴァンスの定番。

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カフェでひと休み。マルシェの日は街中のカフェが大忙しです。手前にあるのはお花の屋台。

マルシェめぐりの途中、すてきなお店を発見。
チーズ屋さんの店先で、ワインと共にいろんなチーズをいただけるのです。
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プロヴァンスのチーズを中心にちょっとずつ盛り合わせていただきました。至福の時間。

2006年にオープンして以来大人気のおいしいチョコレート屋さん「ラ・クール・オ・サヴール」も見逃せません。
ボンボンショコラにフルーツやナッツ入りのタブレット、マカロンにギモーヴ・・と小さな店内には美味しそうなスイーツがぎっしり!
アトリエが併設されているので運がよければ見学できるかも☆
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            チョコレートのオブジェなどアートなディスプレイも必見。


町をぐるっと取り囲む運河では、カヌーの試合が行われていました。
かなり白熱していて観客たちも大盛り上がり。
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この運河の水が生まれる源が、リル・シュル・ラ・ソルグの東にあるフォンテーヌ・ド・ヴォークリューズです。
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ここは乾燥したプロヴァンス地方にあるとは思えないほど、緑と水があふれる風光明媚な場所。
バスクリンみたいな不思議な緑色をした川沿いを歩いて奥へと入っていくと、洞窟のような場所にたどり着きます。ここが「ヴォークリューズの泉」。
春秋のシーズンには毎秒90㎥もの水が湧き出るのだそうですが、この水がいったいどこから来るのか調査でもいまだ明らかにされていないそう。
人間の常識では考えられない不思議なことが、自然界にはたくさんあるのですよね。
そのあまりに偉大な存在に、畏敬の念をいだかずにはいられません。
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自然の神秘に思いを馳せながら。。。しばしエネルギー補給。




■La Cour aux Saveurs
2,rue Louis lopez Tel:04 90 21 53 91


◆◆ 本日の1冊 ◆◆
『ホテル・パスティス』ピーター・メイル著 河出書房新社刊 
南仏12ヶ月シリーズでおなじみのメイル氏の長編小説。リル・シュル・ラ・ソルグの銀行強盗とリュベロンのホテル建設。まったく別のところで同時進行する二つの計画がやがて交差する・・過去に挫折しつつも夢を持って生きている登場人物たちがなんとも個性豊かで、ぐいぐい引き込まれていきます。映画化するのならこちらのお話の方がうんと魅力的だったのになあっと個人的には思っています。
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by pudding-world | 2010-10-14 17:33 | フランス
リュベロン地方でもっとも観光客が多い村といえば、ゴルド。
ゴルドの魅力はなんといっても幻想的な景観です。
その姿は、まさに天空の城!
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         宮崎駿先生の「天空の城 ラピュタ」のモデルともいわれています。

地方自然公園に指定されているリュベロンにはほとんど開発の手が入らないため、昔と変わらない素朴でのどかな雰囲気を残していますが、それでもここゴルドだけはちょっぴり観光化されているのは否めません。
他の村に比べるとホテルの数も格段に多く、村の中心にはレストランや土産物屋などが並んで大賑わい。
夏のシーズン中ともなるととても田舎の村とは思えないほどの混雑ぶりです。
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             女の子が好きそうな可愛い雑貨屋さん。

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                瓶詰めなどの食材中心の土産物屋さん。

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       ローズマリーやタイムなど、プロヴァンスらしいはちみつがいっぱい。

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              プロヴァンスのシンボル、せみの飾り物。

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映画「プロヴァンスの贈り物」の舞台になった広場(この映画、恋愛中心なのでプロヴァンスファンにはちょっと物足りないかも?)。

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           「私の父はパティシエでした」という名前のカフェ。

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リュベロンに点在するボリーBoriesと呼ばれる石造りの建物がゴルド周辺にはいっぱい。


ゴルドから北西2kmほどの人里離れた谷間にひっそりとあるセナンク修道院も、観光客のほとんどが訪れる場所でしょう。
一面に広がるラベンダー畑と修道院の写真はプロヴァンスで最も有名な風景の一つです。
俗世から隔離された場所で禁欲的な生活をおくるシトー会の修道院・・・ほかの教会のようにきらびやかではない簡素なたたずまいを前にすると、なんともいえない静けさが心に広がっていくようです。
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            ラベンダーの季節(6~7月)はさぞかし美しいことでしょう。


*今回のレポートはスイーツが登場せずに終わってしまったので、前回のボニューのはちみつ屋さんで掲載できなかったスイーツをご紹介しますね。
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はちみつを使ったフランス菓子の定番、ヌガー(右)とエクス・アン・プロヴァンスで特産のお菓子、カリソン(左)。

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    はちみつたっぷりのパン・デピス(左)と、まろやかな甘さが後を引くキャンディ(右)。



◆◆ 本日の1冊 ◆◆
『 南仏プロヴァンスの昼下がり 』ピーター・メイル著 河出書房新社刊
南仏エッセイ3部作の完結編。原題は「アンコール・プロヴァンス」。数年のアメリカ生活を経て帰ったメイル氏を変わらない姿で迎えてくれたプロヴァンスへの、感謝と愛情溢れるますます観察眼の冴えた1冊。物事を否定することが好きな偏見に満ちたメディアへの、ユーモアたっぷりの反論は痛快!メイル氏のように、何事も肯定的に見て違いをみとめたうえで楽しく共存していきたいものです。
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by pudding-world | 2010-09-22 04:11 | フランス
メネルブ村から東へ10kmほどいくと、丘の上にへばりついた鷲の巣村のボニューBonnieuxが見えてきます。
メネルブと同じく小さな村なのですが、ボニューには、こんなところに?!とちょっとびっくりするような洗練されたお店やレストランがあって、
リュベロンのなかでも特に有名人の別荘地として人気だというのもうなずけます。
でも、私にとってのボニューの魅力はなんといっても極上の景色。
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            高台から見下ろすリュベロン谷。雨上がりの虹が!

金曜日には広場でマルシェが開かれます。
新鮮な食材にスパイス、はちみつにラベンダーなど、ちっちゃな市ながら魅力的なものがいっぱい。
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なんとこの村には「パン博物館」まであるのです。
外から見ると博物館とはちょっと分からないほどひっそりとした佇まいなのですが、
18世紀~の製パンの機械や道具類、家庭用品など、お菓子好きにとっては興味深いものがぎっしりと展示されています。
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そのせいか、まちのパン屋さんも品揃えが豊富。
パティスリーはもちろんのこと、マルセイユ名物のナヴェット(とても硬いビスケット)も数種類作っています。
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        エクレアもタルトもこのとおり、プロヴァンスらしい大らかなサイズ。

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                アンティーク屋さんで店番をする黒猫。
猫たちとの出会いも楽しみのひとつ。
リュベロンの村々ではあちこちでたくさんの猫を見かけるのですが、しみじみと景色を眺めている子や陽だまりの中でだら~んと昼寝している子、みんなのんびり自由な様子はまさにプロヴァンスっ子といった感じです。

ボニューで評判のレストラン「Le Fournil」。
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素材の組み合わせや盛り付けにセンスが感じられるおいしいお料理がいただけます。
プロヴァンス産のワインが充実しているのも嬉しいポイント。

プロヴァンスのワインというと、手頃なテーブルワインが多くてボルドーやブルゴーニュに比べると格下のイメージ・・・だったのはもう過去の話。
最近はどんどん質の良いワインが増え、ビオのワイン造りも盛んです。
爽やかでフルーティなワインは太陽の香りがするプロヴァンス料理にぴったりで、その飾らなさがプロヴァンスっぽくて私は大好き。
夏、ぎらぎら太陽の下で飲むロゼワインはプロヴァンスならではのお楽しみです。
リュベロンにもおいしいワインがたくさんあるので訪れるたびにいろいろと試しているところですが、地元の人におしえてもらった、ボニューのはずれにあるビオのワイン農家のものは特に気に入っています。
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              ビオのワイン農家「Château Les Eydins」


わが家で欠かせないものがボニューにもうひとつ。
「Le Mas des Abeilles」のはちみつです。
ボニューの裏山をしばらく登ってリュベロンを見降ろせるくらいのところまで行くと、辺りに四角い蜂箱がぽつぽつと見えてきます。
売店では、ラベンダーやローズマリーなど10種類以上ものはちみつをはじめ、ヌガーやキャンディ(美味!)にビネガーやビールまで、ありとあらゆるはちみつ製品が並んでいます。
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お気に入りのレストランもボニューの近くにあります。
近くといってもボニューから険しい山道(夜はかなり怖い)を車でくねくね走りつつ「なんだか地球の果てに行くようだね・・」と思わず言い合うような、ほんとうに何も無い山の中なのですが。
「オーベルジュ・ドゥ・ラ・ルーブ」はリュベロン滞在中に必ず訪れる、家族みんなが大好きなお店です。
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ここでのお楽しみはなんといっても前菜盛り合わせ!タプナードにパプリカのマリネ、カレー風味のアーティチョーク、いかのトマト煮などなどプロヴァンスのお惣菜が10種類以上もぎっしりトレイにのって出てくると、毎回うわあ~っと歓声が漏れます。
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           初めて食べたさくらんぼのビネガー漬け、とっても美味!

みんな嬉々としてもりもり食べます。
もうこれだけでも十分満足。これからメインだなんてちょっと考えられないくらい・・
でもこれが不思議と入っちゃうんですね~
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              ローズマリー風味のうさぎのロティ。豪快。

むむ・・もうダメ、おなかいっぱい、というところへ、てんこもりのデザートが登場します。

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      洋梨のタルトとアイス、いちじくのミニタルトにフランボワーズにチョコレート。

お客さん同士で自然と話が弾むようなアットホームな雰囲気も心地よく。
モーリスおじさんが作る豪快でおいしいお料理に、本日も楽しくおいしく大・大満足。
みんなで幸せな気持ちになって家路につくのでした。


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                    ボニューから見る夕焼け。



■Le Fournil
5,place Carnot 84480 Bonnieux Tel:04 90 75 83 62

■Le Mas des Abeilles
Col le Pointu 84480 Bonnieux Tel:04 90 74 29 55

■Auberge de la Loube
84480 Buoux (住所なし) Tel:04 90 74 19 58


◆◆ 本日の1冊 ◆◆
「南仏プロヴァンスの木陰から」ピーター・メイル著 河出書房新社刊
ピーター・メイルの南仏シリーズ第2弾。原題は「Toujours Provence (いつもプロヴァンス)」。トリュフをめぐる冒険、アヴィニョンの市場、パスティス・・・食いしん坊の想像力をかきたてるお話がいっぱい。なにより、個性的すぎる村人たちのお話が楽しい!
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by pudding-world | 2010-09-15 00:52 | フランス
南仏プロヴァンス、リュベロンですごす休日。
一日はマルシェ(市場)での買出しから始まります。
リュベロンでは毎日どこかの町で市がたつので、曜日によって行く先も様々です。
たとえば、月曜日ならカヴァイヨンのマルシェへ。
リュベロンの西端にあるカヴァイヨンには、鉄道駅もあり、このあたりではちょっと大きな町。
農産物取引の中心地としてマルシェも活気にあふれています。

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           「カヴァイヨンのメロン」はジューシーで最高においしい!

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       南仏料理に欠かせない「エルブ・ド・プロヴァンス(プロヴァンスのハーブ」。

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ピーター・メイル氏の本にも登場するパン屋さん「Auzet」。パティスリーからフリュイ・コンフィまで豊富な品揃え。

買出しが終わったら(借)家に戻ってお昼ごはんです。
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         ある日の朝昼兼用ごはん。ワインを飲みながらのんびりだらり。

午後はてんでに昼寝をしたり本を読んだりして過ごします。
夕方になるとごそごそ起きだして近くの森を探検したり、村まで散歩に出たり。

メネルブはほんとうにひっそりとした小さな村。
お店もパン屋や雑貨屋など必要最低限のものだけです。
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               メネルブ村唯一のパン&お菓子屋さん。

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雑貨屋兼食料品店は小さいながらも地元産の食材を中心に魅力的なものがいっぱい。

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村に一軒だけあるキオスク兼バーは村のおっちゃんたちの憩いの場。いつか私もデビューしたいとひそかに願っているのですが。

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               丘の上の教会。


メネルブから少し東へいくと、ラコストの村が見えてきます。
ここはかのサド侯爵が領主を務めていたことで知られる、リュベロンで最も小さい村です。
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丘の頂上に建つ城は、2001年にデザイナーのピエール・カルダンにて購入されました。

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               ラコストのはずれにある教会。

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               ほんとにのどかなところだニャァ・・・・。

夕暮れどきの美しさは、リュベロンの最大の魅力のひとつです。
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           家から見る夕焼け。

そして夜は、真っ暗というより真っ黒。といったほうがいいようなどっぷりとした闇に包まれます。
見上げれば満天の星。
星ってこんなにもいっぱいあったんだ!ふだんは見えていないんだなあ。。。
こぼれ落ちてきそうなほどの星空に囲まれて、宇宙との距離もぐっと近く感じられるひととき。
今日も豊かな気持ちいっぱいになって眠りにつくのでした。



◆◆ 本日の一冊 ◆◆
南仏プロヴァンスの12か月 / ピーター・メイル著 河出書房新社刊
言わずと知れたプロヴァンスブームの火付け役。都会からプロヴァンスの田舎へ移り住んだメイル氏の、カルチャーショックを受けながらも楽しく豊かな生活がユーモアたっぷりに書かれています。私にとってはこれが一番のガイドブック。
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by pudding-world | 2010-08-31 22:58 | フランス