スイートネットワーク海外支部"プリン"が世界中のいろんな場所で出会った甘い(時にはビターな)お話をお届けします。


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南仏プロヴァンス、リュベロンですごす休日。
一日はマルシェ(市場)での買出しから始まります。
リュベロンでは毎日どこかの町で市がたつので、曜日によって行く先も様々です。
たとえば、月曜日ならカヴァイヨンのマルシェへ。
リュベロンの西端にあるカヴァイヨンには、鉄道駅もあり、このあたりではちょっと大きな町。
農産物取引の中心地としてマルシェも活気にあふれています。

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           「カヴァイヨンのメロン」はジューシーで最高においしい!

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       南仏料理に欠かせない「エルブ・ド・プロヴァンス(プロヴァンスのハーブ」。

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ピーター・メイル氏の本にも登場するパン屋さん「Auzet」。パティスリーからフリュイ・コンフィまで豊富な品揃え。

買出しが終わったら(借)家に戻ってお昼ごはんです。
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         ある日の朝昼兼用ごはん。ワインを飲みながらのんびりだらり。

午後はてんでに昼寝をしたり本を読んだりして過ごします。
夕方になるとごそごそ起きだして近くの森を探検したり、村まで散歩に出たり。

メネルブはほんとうにひっそりとした小さな村。
お店もパン屋や雑貨屋など必要最低限のものだけです。
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               メネルブ村唯一のパン&お菓子屋さん。

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雑貨屋兼食料品店は小さいながらも地元産の食材を中心に魅力的なものがいっぱい。

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村に一軒だけあるキオスク兼バーは村のおっちゃんたちの憩いの場。いつか私もデビューしたいとひそかに願っているのですが。

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               丘の上の教会。


メネルブから少し東へいくと、ラコストの村が見えてきます。
ここはかのサド侯爵が領主を務めていたことで知られる、リュベロンで最も小さい村です。
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丘の頂上に建つ城は、2001年にデザイナーのピエール・カルダンにて購入されました。

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               ラコストのはずれにある教会。

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               ほんとにのどかなところだニャァ・・・・。

夕暮れどきの美しさは、リュベロンの最大の魅力のひとつです。
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           家から見る夕焼け。

そして夜は、真っ暗というより真っ黒。といったほうがいいようなどっぷりとした闇に包まれます。
見上げれば満天の星。
星ってこんなにもいっぱいあったんだ!ふだんは見えていないんだなあ。。。
こぼれ落ちてきそうなほどの星空に囲まれて、宇宙との距離もぐっと近く感じられるひととき。
今日も豊かな気持ちいっぱいになって眠りにつくのでした。



◆◆ 本日の一冊 ◆◆
南仏プロヴァンスの12か月 / ピーター・メイル著 河出書房新社刊
言わずと知れたプロヴァンスブームの火付け役。都会からプロヴァンスの田舎へ移り住んだメイル氏の、カルチャーショックを受けながらも楽しく豊かな生活がユーモアたっぷりに書かれています。私にとってはこれが一番のガイドブック。
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# by pudding-world | 2010-08-31 22:58 | フランス
例年にない真夏日に驚かされたかと思うと、いきなり秋が来たかのように肌寒い今日この頃。
気まぐれなお天気が続くヨーロッパですが、ヴァカンスシーズンはまだまだ終わりません。
ヨーロッパで人気のヴァカンス地はたくさんあれど、フランス人が好きなヴァカンス先の定番といえば、なんといっても南仏プロヴァンス!
古くからフランスでは心の故郷のような存在だったプロヴァンスですが、1989年に出版されたピーター・メイル著「南仏プロヴァンスの12ヶ月」が一大ブームを巻き起こしたのをきっかけに、世界的な知名度が一気に高まりました。
私がプロヴァンスという言葉を初めて目にしたのもこの本だったと記憶しています。

初めて訪れたプロヴァンスは、本から空想していた何倍もすばらしかった!
あんまり思い入れが強すぎてとても文章にできそうにない・・と延ばし延ばしにしていたのですが、これから少しずつ書いていこうと思います。
とはいえ、やっぱりプロヴァンスのすばらしさは私なんかの力ではとても表現しきれないと思いますので、実際はこの何倍も素敵なところだ!と思って読んでいただければ幸いです。

最初はあれも見たいここも行きたいといっぱいいっぱいだった私ですが、何度か休暇を過ごすうちにだんだんと免疫ができて、最近やっと「何もしない休日」を楽しめるようになってきました。
プロヴァンスは急ぎ足で観光するより、土地の人にならって"自然時計"に沿ってのんびりと日常生活を過ごすほうが、うんとたくさんの発見があるようです。

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我が家がいつも滞在するのは、プロヴァンスのなかでも田舎の風情を残したリュベロン地方。
アヴィニョンの東方、なだらかな山地に丘と平野が続くリュベロン地方は、自然公園に指定されているため、昔ながらののどかな田園風景が広がっています。
この辺りには大資本系チェーンホテルは無いかわりに、素敵なシャンブル・ドット(B&B)がたくさんあります。
ガイドブックやおしゃれ雑誌で紹介されるのは、たいがい他所から移り住んだオーナーが経営しているところで、洗練されているかわりに目の玉が飛び出るくらいのお値段だったりしますが、地元の人がやっているチャーミングでお値段もうんと安いシャンブル・ドットがたくさんあるのです。
なにより、古い民家で土地の人たちとふれ合うことができるし、本物の田舎暮らしを楽しめるのは魅力的です。

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           ボニュー村のはずれ、森と畑に囲まれたシャンブル・ドット。

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         自然の中でいただく朝ごはんで気持ちいい一日が始まります。


小人数や短い滞在ならシャンブル・ドットも素敵ですが、ヨーロッパの田舎では1週間単位で借りられるレンタルハウスがたくさんあって、家族や友人数人ならホテルやシャンブル・ドットに泊まるよりもだんぜんお得。
家具やキッチン用品もすべて揃っているので、暮らすように楽しむことができます。

ある夏、私たちは、メネルブ村のはずれに建つ家を借りました。
このあたりはかつてピーター・メイル氏も住んでいたところで、本で読んだ世界そのままの、自然以外に何もないほんものの田舎。
住所もない畑道の中にその家があらわれた時には、家族全員から「うわあ~!」と歓声が上がりました。

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古い農家を改造したというがっしりとした石造りの家。
家の裏山にはオリーブの木とぶどう畑が広がっていました。
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テーブルの上には、近くで農業を営む大家さんからのプレゼントが。
裏の畑で採ったばかりのみずみずしくて甘いぶどうと、自家製のワイン、そしてコンフィチュールです。
心のこもった贈り物に、一同またもや感動。


歩いてすぐの大家さんのおうちではターブル・ドット(夕食)もできるというので、喜んで伺いました。
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南仏ではこれがなきゃ始まらない、パスティス(アニスのリキュール)で乾杯。なんと自家製!

「料理はすべて母に教わった味」という奥さんがつくってくれたのは、地元で採れた(中には自分で育てた)新鮮な素材を使った南仏の家庭料理の数々で、どれもしみじみとおいしかったです。
南仏の強い太陽をいっぱい浴びて育った野菜のおいしさは、じんわり体に染み入るよう。
自家製の野菜に自家製のワイン・・・丹精こめて作られた作物をおいしくいただける幸せを噛みしめました。
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       ニース出身という奥さんの故郷の味、アンチョビと玉ねぎのピサ・ラディエール。

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              ナスにパプリカ、南仏の野菜たっぷりの前菜。

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             挽き肉とチーズのオーブン焼きと、トマトのグリル。

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      ふんわり優しい味でいくらでも食べられそうなくらいおいしかった!洋梨のタルト。

おいしいお料理をいただきながらワインもどんどん空いて、おしゃべりも弾みます。
プロヴァンス訛りで身振り手振りをまじえて話すご主人はまさにこの土地の農夫!といった感じ。
畑でつくっているアスパラガスやさくらんぼのこと、観光客がいない美しい穴場、地元の人が行くおいしいお店、かつて村を訪れていたというピカソの内緒話まで。おもしろい話が次々と出てきて大いに盛り上がりました。

昔のメネルブの写真も興味深く見せていただきました。
リュベロンは自然公園に指定されているので開発の手は入らず、景観は守られているのですが、やはりプロヴァンスブームによって、驚くほど変わったといいます。
それは土地の人々にとってどうだったのだろう、と気になっていたことを聞いてみると……
良いことも悪いこともある、と複雑な様子でした。
何もない田舎の村に急に観光客がドッと押し寄せるようになり、富裕層が競って別荘を買い、移住者がどんどん増えた……そうすると自然にビジネスが生まれます。
リュベロンの村々では、こんな田舎町にあるとは思えないようなおしゃれなお店やレストラン、そして不動産屋さんの多さに驚かされます。
当然のごとく、地価は何倍にも何十倍にも跳ね上がり、土地や家屋を手放す人も増えたそうです。
ご主人は、「その恩恵を受けて暮らしが楽になったのも事実だけど、私らの子どもの世代ではとてもこの土地で家を持つことができなくなって、みんなよその町で暮らしてるんだよ。」と寂しそうにおっしゃっていました。
私も観光客の一人として、考えさせられるお話でした。


次回からはこのメネルブの家を拠点に、リュベロン地方にきらめく小さな村々をご紹介していきたいと思います。
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# by pudding-world | 2010-08-18 23:16 | フランス
前回お伝えしたザンクト・パウリからもう少し西へ向かうと、アルトナ地区に入ります。
かつてはハンブルク近郊の漁村だったというアルトナは、今では駅前にのびるショッピングストリートを中心にたくさんのお店が集まり賑やかです。
大型チェーン店があるかと思うとギャラリーやインテリアショップなど高感度な店があったり、また少し歩くと地元の人が集まる小さなカフェや商店があって、人々の生活が垣間見られる下町っぽい雰囲気でいっぱい。
港に近くいろんな人種が混在していることもあり、街全体が独特の活気に満ちています。


水曜の午後にはSpitzen広場でビオのマルクトが開かれます。
小規模ながら、野菜、果物、肉、魚の生鮮食品に、手作りのコンフィチュールまで魅力的なお店が集合。
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      スープ屋台「Suppedito」のレンズ豆のスープ。毎週通うファン多数。


アルトナには、こだわり食材のお店も点在しています。
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ティム・メルツァーも常連のイタリア食材屋「PAOLA」。ドアに貼られたザンクトパウリっぽいアートにも注目。

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       チーズやワイン、チョコレートなどファインコスト(珍味・高級食材)の店。

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飴の実演販売が人気の「Bonscheladen」。WM時にはサッカーボールの金太郎飴も登場。


商店街のはずれに、長い長~い行列を発見。
日本以外でこんな行列を見ることは珍しいのでびっくりしながらのぞいてみると、小さなアイス屋さんでした。
子どもからお年寄りまでたくさんの人であふれ、みんなアイス食べつつおいしい笑顔。
「アイスリーベ(直訳すると"アイス愛")」というこのお店、ハンブルク一おいしいアイスと評判の店だったのです。
オーナーはフランツ・ハンザートさん。
約60種類のレシピの中から毎日12種類、その日の天気で作る量を決め、その日に売り切るのだそうです。
素っ気無いくらいシンプルな店には、アイス愛がいっぱいにあふれていました。
お味のほうは・・こりゃ並んででも食べたくなるわ!と唸るおいしさ。
ハンブルク一どころか、私の中では今まででナンバーワンかも!
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ヒムベーレ(木苺)&キャラメルと、パンプルムース(グレープフルーツ)&チョコチップ。特にパンプルムースは忘れられないおいしさ!

ドイツにはイタリアからの移民が多く、アイス屋さんがいたるところにあります。
大人も子どももアイスが大好きで、夏ともなれば街中にアイス片手の人々があふれます。
ドイツで食べるアイスはおいしいうえにとっても安い(1ユーロ以下。イタリアやフランスではありえません。)のがすてき。
ドイツにきたらぜひ、アイスを堪能してくださいね☆


さて。
このブログでは私の個人的な好みから庶民的な店が多く登場してしまうのですが、
ハンブルクは、美食でも名高い街。
特にアルトナの西のエルベ川沿いには、港の景色と美食を堪能できるレストランが並び、有名シェフの店もこの辺りに集中しています。
せっかくハンブルクに来たのだから一度くらいはちょっといい店にも行ってみたいなあ、と思っている人におすすめの一軒をご紹介しましょう。

「Le Canal nouveau」
数年前にシェフがAli Güngörmüs氏に代わってからすばらしく再生、あっという間にミシュランの星を獲得しました。
シェフのルーツを隠し味にくわえた、ちょっぴりオリエンタルな風味も感じられるクリエイティブな料理が魅力です。
かしこまりすぎずオープンな雰囲気で、景色も味も最高!
ランチなら30ユーロほどでいただけます。
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        エルベ川が目の前に広がるとっても気持ちいいテラス席。

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左はシェフならではの1品。ふだんは軽食で食べるファラフェル(ヒヨコ豆ペースト揚げ)が、立派な一皿に。

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ヴァローナのフォンダンショコラ。熱々とろ~っのチョコレートにマンゴーソースが絡んで美味!

気持ちいい場所でいただくおいしいお料理。。。
ほんとうに贅沢なひとときを過ごしました。

ところ変わって、またまたザンクト・パウリ。
やはり私はこちらの方が落ち着くようで(笑
先日、ここでとてもおもしろい体験をしました。
たまたま読んだ記事に興味をひかれて訪ねたあるお店。
日本人の榎本さん(通称エノさん)が切り盛りする寿司バーです。
ビートルズがブレイクしたことでも有名な、世界に名だたる歓楽街レーパーバーンのすぐ近くの路地に、エノさんのお店「カンパイKANPAI」はひっそりとありました。
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      左が「KANPAI」。カウンターだけの小さなお店。隣のスペイン・バーもいい感じ。

40年以上も前にシベリア鉄道で10日もかけて渡独したというエノさんの人生話はとっても濃くて・・食事もそこそこに話しを聞くのに夢中になってしまいました。
一時はハンブルクの街なかで大きな和食レストランを経営していたのが、流れ流れてこんな新宿ゴールデン街みたいな場末に来てしまった、とおっしゃるエノさんですが、私はこのディープな雰囲気がめちゃくちゃ気に入りました。
良心的な価格と場所柄、お客さんもいろいろでじつに濃い!
近所で働く人から地元の若者まで、常連さんたちに愛されているのが伝わってきます。
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       エノさん。店で見続けた人間模様をまとめた本を執筆。出版社募集中です!

話が弾みすぎてなかなか帰れず、恐縮するくらいサービスしてもらったうえ、「モヒート飲みに行こう!」と隣のバーへ連れていかれた私たち。
ディープなザンクト・パウリを肌で感じることができた、おもしろ濃ゆ~い一夜でした。


■Eisliebe
Bei der Reitbahn 2 Hamburg Tel:39 80 84 82

■Le Canal nouveau
Elbchaussee 139 Hamburg Tel:88 12 95 32

■KANPAI Sushi-Bar
Hamburger Berg 25 Hamburg Tel:32 31 84 84
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# by pudding-world | 2010-07-30 21:10 | ドイツ
ワールドカップもついに終了。
ドイツ代表は3位となりましたが、その結果以上に素晴らしいプレーをたくさん見せてくれました。
今回は、ドイツのサッカーのお話を交えてレポートしたいと思います。

ワールドカップはドイツ語でWeltmeisterschaft、略してWM(ヴェーエム)といいます。
ドイツ人のサッカーにかける情熱といったらハンパじゃなく、WMの時期は国中がサッカー一色といってもいいくらい。
先日歯医者に行ったらスタッフ全員の制服がドイツ代表Tシャツになっててびっくり。そして先生のマスクにはなんと国旗マークが書かれていました(笑
ドイツ戦の日なんてもう、街中がお祭り騒ぎ。みんな一丸となって応援し、喜びや悲しみを爆発させています。
こんなに皆から愛されて応援されて、選手たちは幸せだなあと思います。

日本ではほとんどサッカーに興味のなかった私も、こちらへきてサッカー観戦が俄然楽しくなりました。
今年の代表チームはほんとうにすばらしかった!主将バラックが抜けてどうなることかと心配されていましたが、今までに見たことないようなチームワークの良さは、新主将になったフィリップ・ラームの影響が大きいというのが大方の意見です。
ラームはドイツチームの良心のような人で、サッカー選手には珍しいほどの社会派。様々な社会的活動に参加したり、自身の資金で財団を設立し、アフリカの子どもたちのためのサッカープロジェクトに取り組んだりしています。

そんな彼の影響もあったのでしょうか。南アフリカをバス移動中に見た貧しい村や人々にショックを受けた選手たちは、何かできることはないかと話し合い、WMのあいだ、試合ごとに子どもたちを招待することにしたのだそうです。
スタジアムでサッカー観戦なんて夢にも見られなかった子どもたちは、どんなに喜んだことでしょうか。
この出来事が、困難な環境におかれた子どもたちに与えた希望ははかりしれません。
サッカーが強いだけでなく、こんなところもドイツ国民が誇りに思えるチームたる所以なのでしょう。
私も今回のWMでますますドイツチームが好きになりました。

WMがないときもドイツの人々はブンデスリーガ(国内リーグ)で盛り上がっています。
今年優勝したバイエルンや、以前高原選手が所属していたハンブルクSVあたりは日本でもよく知られていると思いますが、そのハンブルクに、もうひとつサッカーチームがあることをご存知でしょうか。
今回2次リーグから1次リーグに昇格したFCザンクトパウリ(FC St.Pauli)。サッカー界のなかでは異色といわれるチームです。
なぜ異色かといえば・・・
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シンボルはドクロマーク。昨今何かと人気のパイレーツですが、ザンクトパウリは100年前からこのマーク。
ユニフォームやグッズもサッカーチームとは思えないほどクールです。
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本拠地は歓楽街で有名なレーパーバーンに近い老朽化したスタジアム(※現在工事中)。
ハンブルクでは一般的に、ホワイトカラーの人々はハンブルガーSVのファン、ブルーカラーにはザンクトパウリのファンが多いといわれていますが、街の様子をみるとザンクトパウリの方がより地域に根付き、より深く愛されているように感じます。
ブンデスリーガというと大概地元チームを応援するものですが、ザンクトパウリは地元のファンに熱烈に愛されているのはもちろん、そのパンク精神あふれるスタイルがハンブルク以外でも支持されているという、ちょっと特別な存在なんです。
じつは私も隠れファン。別に隠れなくともいいのですが(笑)
サッカー云々よりも、このあたりの地域もひっくるめてその存在が好きです。

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              ザンクトパウリにチベットの旗。このエリアらしい光景です。

ザンクトパウリから隣のSchanze(シャンツェ)地区にかけては、大資本系チェーン店は無いかわりに、小さなカフェやレストラン、若いデザイナーのアトリエ兼ショップなど個性的なお店がたくさん集まって、サブカルチャーの発信地になっています。
東京でいえば下北沢をもっとのんびりさせたような、ベルリンでいうならプレンツラウアーベルククロイツベルクのような、リベラルな雰囲気がいっぱいのエリアです。
このごっちゃり感と自由でゆる~い空気が私にはとっても居心地良くて、ハンブルクへ行ったらほぼこの辺りで過ごしているといってもいいくらい。

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朝から晩まで賑わっているシュルターブラット通りには、ハンブルクに多いポルトガル・カフェ、新鮮な魚をその場で料理してくれる安食堂、イタリアンやタパスの店などがずら~っと並びます。
私が毎日のように通う(時には日に何度も)のが、ポルトガル・カフェの「Transmontana」というお店。
ポルトガルのオリヴェイラさん一家が営む庶民的なカフェは、朝の賑わいといい、午後の気だるい感じといい、まるごと本物のポルトガルのよう。
ハムやチーズなど好きなだけ具を選べるホットサンドや、手作りのポルトガル菓子がとっても美味しいんです。
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絶品のナタ(エッグタルト)。飲み物はガラオ(ミルクコーヒー)とドイツで人気急上昇のラバーバーショーレ(リュバーブの炭酸飲料)。


シャンツェでケーキを食べるならここ、「Herr Max 」。
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      ミルク屋さんだった建物の古いタイルをそのまま使用。とてもチャーミングな空間。

ドイツ風の伝統的なケーキばかりでなく、小さなタルトやフィナンシェといったフランス風のものやクッキーなどの焼き菓子、チョコレートまで、奥の工房で作られた新鮮なスイーツが並びます。
材料はできるだけビオ、コーヒーはフェアトレードのものを使用。
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             ドイツで定番のリュバーブとメレンゲのケーキ。


安いインビス(軽食店)から各国のレストランまで食事処も充実のシャンツェですが、最近新たなランドマークとなっている超人気店が、ドイツで有名な料理人、ティム・メルツァー氏のレストラン&ビストロ「Bullerei/Deli」です。
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数年前、テレビのクッキングショーに登場したティムは、ドイツに一大クッキングブームを巻き起こしました。
本人も料理もカジュアル&自由なスタイルで、ドイツのジェイミー・オリバーともいわれていますが、私のなかでは日本のケンタロウさんに近いイメージです。

店内はレストランBullereiと、カジュアルなDeliに別れています。
長~い木のテーブルが並ぶレストランもいい雰囲気ですが、オープンキッチンで喧騒が心地いいDeliがとても気に入りました。
相席になった人と自然に話が弾むような、オープンな空間です。
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                Deliの店内。ティム氏も登場。

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名物の薄いピザと、野菜がごろごろ入ったハンバーガー。同行者は、今まで食べたハンバーガーの中で一番美味しい!と絶賛してました。

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上の写真におにぎりが写っているの、わかりますか?日本ではあたりまえのフィルム包装のおにぎりですが、まさかこんなところでお目にかかれるとは!思わず興奮です。
具はトマト&ルッコラ、チキン&コリアンダーなど。さすがはティム。
左上にあるドリンクは、「Chari Tea チャリ・ティー」というビオでフェアトレードのアイスティー。


「チャリ・ティー」もそうですが、「アストラ・ビール」や「フリッツ・コーラ」、「ラバーバーショーレ」など、ハンブルクには個性的な"地ドリンク"が多く、特にシャンツェ地区ではこういったドリンクを置く店を多く見かけます。
いまやコカコーラにも勝る勢いの国民的人気飲料となった「ビオナーデ」は、もともとドイツ南部で誕生しましたが、ハンブルクで人気に火がつき、じわじわと広がっていきました。

地産のものや小さなメーカー、人や環境に優しいもの、誰かの真似ではなくオリジナルなものを大切にするオルタナティブな土壌が、シャンツェの街にはあるようです。


■Transmontana
Schulterblatt 86 Tel:43 18 40 06

■Herr Max
Schulterblatt 12 Tel:69 21 99 51

■Bullerei/Deli
Langerstr 34b Tel:33 44 21 10


♪♪本日の音♪♪
THE BLUE HEARTS
ザンクトパウリにいるとなぜか思い出すブルーハーツ。
大人になってから改めて歌詞のすごさに心を揺さぶられました。
むくむくと元気がでてきます。
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# by pudding-world | 2010-07-13 02:00 | ドイツ
6月のはじめ、ブリュッセルで食のイベント「culinaria クリナリア」が開催されました。
ベルギーのミシュラン星を持つレストラン16店のシェフ18人が一堂に会し、それぞれの料理を組み合わせたメニューがいただけるというなんとも楽しいこの催し。
昨年に続く第2回目となる今年は、Tour&Taxisに会場を移して開催されました。
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会場の中庭にはカフェやバーのスタンドが立って開放的な雰囲気でいっぱい。
建物の中には各レストランのキッチン付きブースや食品のスタンドが並んで、小さなメッセ会場のようになっています。

このイベントのためにつくられた特別Menu(コース)は4種類。
16のレストランがそれぞれ、アントレ1、アントレ2、プラ(メイン料理)、デセール、という4品Menuのうちの一品を担当。各Menuとも星の合計が6~7つになるように組まれています。
例えば「Menu2」は
アントレ1: 't Zilte**  シェフ Viki Geunes
アントレ2: Pastorale**  シェフ Bart De Pooter 
プラ: Le Chalet de la Forêt*  シェフ Pascal Devalkeneer
デセール: Couvert-Couvert*  シェフ Lourent et Vincent Folmer (*はミシュラン星の数)
という組み合わせで合計6つ星となっています。
それぞれの料理に合わせたワインと、水やコーヒーなども付いて40ユーロほどでいただけるのでお得感たっぷり。
入場時に食べたいMenuを選んでパスポートをもらうのですが、どれも魅力的でぜんぶいただきたいくらい。
幸い私たちは3人だったので、3つの異なるメニュー1・3・4を選んでみんなでわいわいいただきました。高級レストランではできないこんな自由な食べ方ができるのも嬉しいところ。
そしてなんといっても目の前でシェフが料理してくれて、気軽にお話できたりするのはこのイベントならではの楽しみでしょう。

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アントレ一皿目。左から時計回りに(カッコ内は店名) アスパラガスのマリネとイベリコ生ハム(Bon-Bon*)、:"霧の中の海老"(Le Cor de Chasse*) 、帆立貝のマリネ・オリエンタル風味(Comme chez Soi**)


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アントレ二皿目。ポン酢だしスープのマグロそうめん!(L'Air du Temps**)、サーモンのマヨネーズマリネと海草(Pastorale**)、フェラ(レマン湖の魚)の塩バター風味(Dome*)

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Menu1プラ担当のYves Mattagne氏(Sea Grill**)の料理は子羊のロティ。スパイスのアクセントと添えられたかぼちゃの調和が見事。人気シェフとあって、大勢のお客さんに囲まれてにこやかにお話されていたのが印象的でした。


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Menu3のプラはベルギーを代表する有名店Hof Van Cleve***の子牛のほほ肉煮。とろとろのお肉にほっぺた落ちました。


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デセール。左 "これはオレンジではありません"というユニークな名前のデザート(De Koopvaardij*)、ホワイトチョコレートのパンナコッタとグアバソルべにシェリービネガーのジュレ(Hostellerie St-Nicolas**)

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   デセール。チョコレートのジュレと柚子アイス-バナナ-ヨーグルト(Eau Vive**)


ここで和食そのものの"そうめん"が出てきたのには驚きましたが、他にも海草や柚子など日本の食材がよく使われているのが印象的でした。
ベルギーだけでなく、近年ヨーロッパでは日本食が大流行。いまやSUSHI もWASABIも世界の共通語です。


会場にはたくさんのブースやスタンドがあって、あちこちで試食品をつまんだり、講習会や料理教室に参加したり、もちろんショッピングも楽しめます。
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        コンフィチュールやペーストなどおいしそうな瓶詰めが並ぶ店。

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ずらり並んだスパイスやナッツが圧巻。こんな可愛い容器に入っていたら料理が楽しそう。


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            ピエール・マルコリーニの特製デザートプレート。

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   Bart de Pooter氏(Pastorale**)のグラス入り前菜のデモンストレーション。

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        チョコレートスクエアには美しいチョコレートのアートも。


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チョコレートのデモンストレーションでいただいたデセール。ほろにが柔らかなチョコレートケーキに爽やかなりんごの組み合わせが絶品でした。

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          ちびっこお料理教室。シェフ姿が様になってますね~

人口に対するレストランの数が最も多く"グルメの国"といわれるベルギー。
たしかにベルギーの人たちは食べることが大好きで、この国には美味しいものがいっぱい。
だけど、ふだんから星付きレストランに行けるのはごくごく限られた人たちですよね。
「クリナリア」は(私を含む)多くの人にとって、非日常もしくは遠い存在の高級レストランの味を気軽に味わうことができる貴重な機会です。
老若男女が楽しめるこんな素敵な企画を考えるなんて、ベルギーもやるなあ!シェフたちも(週末の書き入れ時であろう店を不在にしてまでも)よくぞ賛同されましたね。
食いしん坊の国・ベルギーの、熱い思いを感じたイベントでした。
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# by pudding-world | 2010-06-29 22:16 | ベルギー